実家の家業を眺めてみて

らしくないことを書きますが、今話題のLong Tailについて
詳しくはこのあたり

で、この前会社の組合の人と飲んでいるときにちょっと話してみたのですが、アスクルのことを思い出したそうです。
なるほどとも思ったのですが、通販とLong Tailを考えると商品ラインナップの拡充とLong Tailというのは何が違うんだろうかと疑問をもった、答えとしては以下の文書がそうなんだろうなと思う。

ロングテイル論にはもうひとつの視点があるのに気付きました。 それは

大きいほうから集積したものと同じ量を、小さいほうから集積して集めることができる。

ということです。

アスクルはオフィス内における文房具のネット通販ということで、通販という点から見ても、オフィス市場から見ても、かなりニッチなところ(式中の無限大で表記されているところ、有限だがk,nよりも十分大きいところにある)からスタートしていて、そのプラットフォームとして、流通構造を整備したということになる。

Long Tailは個人を対象にした議論が中心だが、法人でもこういう現象が起こりうるというのは面白い。

で、最初はLong Tailはニッチなモノの売り上げをまとめあげる力だと思っていたのですが、
アスクルはどちらかというとオフィスにありふれたものをちゃんと整備しておくという方向です。(鉛筆、ポストイットなど、もちろんニッチなものもあるけど少ない)纏め上げるというのは一緒だけど、商品としては必ずしもニッチばかり売り上げているわけじゃありません。

で結局下の文書に行き着くわけですが、

さて、これが何を意味するかというと、「ロングテイルをかき集めてなんとかなると言っても、実際には相当部分ロングテイルじゃない部分も必要だ」ってことでしょう。しかも重複している部分が相当な割合を占めてる。

そして重複している部分があるからこそ、既存事業が縮小するための材料があるということかと思います。

文房具屋というのは実家の家業なのでアレですが帰省したときに聞く感覚では、学校、企業への文房具の販売はほとんどなくなってしまったようで、結局オフィスの新設、移転などが割合として多くなるわけですが、なかなか利益が出せずやらないほうがましかもと思えるそうです。実家はまだ田舎の方なので競合も少ないですが、都市部になると競合も多いし、もっとつらいんじゃないでしょうか?

結局誰かがニッチを纏め上げちゃうとその効果がニッチ以外にも波及し、その誰か以外は高付加価値の方向に進むしかなく、高付加価値の領域で価格競争に陥り、それに耐えうる力をもっていない人たちは、やられていくというシナリオに陥る。(イノベーションのジレンマで書かれているモデル)

結局ここにつながっていくことがLong Tailの恐さなんだろうなとおもいます。