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パフュームみた

ネタバレ注意。

雨は嫌いなので、家でDVD鑑賞。

ひさしぶりに観終わったあと気分悪かった。最後がどうしてそんなに救われないのかというラスト。日本版の「母をたずねて3千里」を、海外の人はぜんぜん感動しないというのに近いんのかも。
見終わった後はっきりとした感情があるという意味では、傑作なのかも。しかも、途中はすごく魅入って観ていたのも確か。

あらすじとしては

常人離れした嗅覚をもった主人公は、ある日町に届け物をすることになり、たくさんの臭いに遭遇する。そして出会った女性の臭いに魅せられ、追いかけるのだが、その女性の臭いを嗅ぐうち、その女性を殺してしまう。そして消えていく臭いを前に臭いを保管する方法をもとめるようになる。
いくつかの方法を試し、人間の臭いを抽出できるようになった主人公は、究極の臭いをつくるため、美女を殺してはその臭いを抽出しはじめる。
町一番の美女ローラのエキスを入手しようとする主人公。
究極の臭いとは一体。

という感じ。そこから、さらに

ローラから臭いのエキスを抽出し、究極の香水をつくった瞬間に捕らえられる主人公。処刑台に送られる前に体にその香水をつけた主人公が処刑台にあらわれると、臭いに魅せられた観衆が彼は天使だと讃え始める。そしてローラを殺された父親さえも。そして彼を置き去りにして宴(乱交)がはじまる。そして倫理にあわないその行為を人々はなかったことにし、別の犯人さえしたてあげる。
主人公は自分の生まれた地に向かい、ついた先で香水をすべて自分にかける。そして人ごみに囲まれ、(たぶん食べられて)この世からいなくなる。

となる。観ているときの個人的な予想としては、

  • 主人公はローラに恋した自分に気づき、殺したことを後悔する。
  • どんなに素晴らしい臭いでも、観衆は讃えても、娘を殺された父親は主人公を刺す。
  • なにはともあれ、行方知れず

予想が全部外れたからというのもあるが、最後観ていて辛かった。

主人公はあきらかに美女を香水の材料としてしかみてない。作中に認知欲求があるのは見て取れるのだが、誰に対してとか、そういうのは明らかにならない。本当に何かに対して認知して欲しいという欲求だけ。
倫理を越えて活動した結果が圧倒的な品質で受け入れられた(洗脳に近いとはいえ)にも関わらず、いや圧倒的であるが故逆に認知されない。
しかも、正気に戻った時には倫理観から忘れたい過去として後悔され、わすれる努力をされる。そして結果を予想して自分に香水をかけたのであれば、認知されないまま人の血肉となることを選択した。
そして圧倒的な技術/品質の前では人間の倫理は失われるという作者の思想。

技術偏重の世相やマッドサイエンティストへの警鐘なのか、究極に対峙したときの人間のリアルを追求したいのかわからないけど、すごい悲しい結末だとおもう。

まあでもそれゆえに名作なのかな。ともおもう。