黒板とチョークのコミュニケーション

はてブの人気エントリで知ったこくばん.inタモリさんの似顔絵があまりに凄くて、感嘆。


以前、ORF(慶応大学の研究発表会)でどこかの研究室が、机に水をたらすような描画ツールを展示していて、それを思い出した。たしか実際にスプーンになにかの部品をつけたものをつかって絵を描くという内容だったと思う。筆ではなくて、水を滴り落として絵を描くという感じ。

それをみたときは、たしか解説の中の社会前提があまりに腑に落ちず、腹が立って凄い剣幕で問いつめていた覚えがある。「こういうの面白くないですか?」って一言だけ同意を求められれば「そうですね。」で済むのに、なんか引っかかる言い回しがあったんだよね、たしか。

さて、こくばん.inというサービスははじめてしったのだけど、こういう現実世界にあったテイストをソフト上で行うというのは、ペイントのブラシとかみたいに描画ツールに付属の機能といった認識があるものだけど、その黒板というコンテキストとともにセットで提供すると一つのサービスとなるのは面白いなぁとおもう。
コメントもキーボードじゃなくて、チョークで書くし、他にも小説の挿絵を書いてもらうイベントとか、黒板とチョークを中心においてのコミュニケーションをしっかり作りこんでいるなぁと思う。

ちょうどいま神々のWeb3.0 神々の「Web3.0」 (光文社ペーパーバックス) という本をよんでいるのだけど、そのなかに携帯小説の特異性の説明で、書き手も読み手も同じ携帯を通して行うことで、従来の文章のような精緻な描写には劣るけれど、携帯で読むには書かせない携帯なりの書き方が生まれたと書いてあった。

携帯はその形ゆえにそういう文化がうまれたのだけど、このサービスでは、ユーザー設定はマウスをもっているPCユーザーであり、そこにはキーボードもやっぱりあるのだけれど、キーボードから打ち込んだ文字ではなく黒板でコミュニケーションすることを選んである。上記だけが文化を生む必要充分条件ではないのだけど、でもちゃんと文化が生まれやすいように、考えられてサービスがつくられているんだなぁとおもった。